Optical brighteners
靴を洗うときに、ウタマロ石鹸がいいということを聞いたことはありませんか?
実は私自身、ウタマロより、液体の洗濯洗剤のほうが、科学的だし、しみこむしいいのでは?って思っていました。
結論は、ウタマロ石鹸はどの洗剤よりも靴を洗うのに向いているということがわかりました。
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ウタマロ石鹸
蛍光増白剤を配合で靴を白くします。
でもその白さ、実は——
汚れが落ちたから白く見えるのではなく、
“光の作用”で白く見えているだけ
という可能性があります。
この記事では色彩学の視点から、
蛍光増白剤の「白さの錯覚」を解説し、
後半では、固形、液体、粉洗剤の種類による汚れ落ちの違いを比較します。
白さは見え方の組み合わせで成立している可能性がある。
私のウタマロ石けんの誤解
ここでいう、ウタマロ石けんは固形石鹸です。
私のそもそもの誤解が、固形石鹸=ナチュラル(非科学的)=汚れがあまり落ちない、でした。
そもそも固形石鹸自体が科学的でありました。
固形石けんの基本は、
油脂(脂肪酸)+ アルカリ(NaOH)= 石けん(脂肪酸ナトリウム)+ グリセリンという「鹸化(けんか)反応」です。
固形石鹸は、そもそも弱アルカリ性で中性ではありません。
さらに、現代のウタマロには、LAS(強力アニオン界面活性剤)が入っており、手肌に“優しい”ことを重視した石けんではない。
さらに、蛍光増白剤も入っており、まさに現代の石鹸です。固形石けん技術の到達点です。
80年前に完成して以来の実質的な“最高性能クラスの固形石鹸だったのです。
そういうわけで、固形石鹸の到達点であることを理解していませんでした。
「白く見える」は“光の混色”で作られる
■ 1. 白布は本当はわずかに黄みがある
綿・麻などの天然繊維は、
ペクチン・脂質・微細な天然色素を含むため、
ごく薄く“黄み(Y)”を持っています。
ほとんどの布は、わずかに黄みがあるので、市販の白物衣料の多くは、製造段階でこの蛍光剤が使われる場合があります1

■ 2. そこで登場するのが蛍光増白剤
蛍光増白剤は紫外線を吸収し、
青白い光(RGBのB+G成分)を放出する物質。
→ 白布の黄みに青白い光が重なることで、
視覚的な補正(加法混色)が起こる。
黄みの色の光が反射+蛍光増白剤による、青い光=加法混色で、白く見える

【図解:加法混色の概念図】

[加法混色(RGB)]
R(赤光)+G(緑光)+B(青光)= 白
蛍光増白剤は、
紫外線 → 青白い光(B+G寄り)を発光。
布の黄み(減法)に光(加法)が重なり、
視覚的に“より白く”見える。
■ 3. 「白く見える=汚れが落ちた」とは限らない
蛍光増白剤は、
汚れを落とすのではなく、白く“見せる”効果。
- 黄ばみそのものは残っていても
- 青白い蛍光光が乗ることで
人間は「白くなった」と錯覚します。
蛍光増白剤=白さの化粧
洗浄剤=汚れ落としの本体
【白く見える仕組み】

【洗浄科学編】
ここからは、色彩学で白く見えるのではなく、汚れが落ちるという、
“白く見える”と“本当に汚れが落ちる”は違う
白い布の白さを決めるものは、
- 光の補正(加法混色)
- 素材そのものの色(減法混色)
- 汚れの有無(化学反応)
の3つが重なっています。
蛍光増白剤は最初の“光の補正”を担当しますが、
汚れそのものを落とす能力はありません。
洗剤3種の科学的比較表(白さ・汚れ落ち特化)
| 項目 | ウタマロ固形 | 液体洗剤(蛍光増白剤入り) | 粉洗剤(蛍光増白剤入り) |
|---|---|---|---|
| 主成分 | 石けん+LAS | LAS+AE系 | 合成界面活性剤+炭酸塩 |
| pH | 弱アルカリ | 中性 | 強アルカリ |
| 蛍光増白剤 | あり | あり | あり(多い) |
| 皮脂汚れ | 最強 | 中 | 強 |
| 泥汚れ | 強い | 弱い | 最強(温水) |
| 黒ずみ | 最強 | 弱 | 中 |
| 白さ補正 | 強い | 中強 | 最強 |
| 靴洗い | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
| シャツ新しい皮脂 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| 古い黄ばみ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★(漂白剤併用) |
【汚れ種類×洗剤の相性マップ】

【結論:用途を混ぜて考えない】
✔ 蛍光増白剤
→ 白く見せる(加法混色)
→ 汚れは落ちているとは限らない
✔ ウタマロ固形
→ 皮脂や黒ずみを落とす(界面活性剤+石けん化)
✔ 粉洗剤
→ 泥汚れ+増白剤の補正に最強
✔ 漂白剤
→ 色素そのものを分解(白さの最終手段)
【用途別:最適な“白さ”の作り方】
■ 靴の黒ずみ → ウタマロ固形(+必要なら漂白剤)
黒ずみの主成分(樹脂粉・ゴム)が落ちやすい。
■ 泥汚れの靴 → 粉洗剤(温水)
アルカリ×分散力の相乗作用。
■ ワイシャツの新しい皮脂 → ウタマロ
皮脂の石けん化反応が最も働く。
■ 古い黄ばみ → 粉洗剤+酸素系漂白剤
色素分解で“本当に白く”する。
■ 白さの演出 → 蛍光増白剤
白く見せるうえでは最強。
まとめ:“見える白”と“本当の白”の二重構造
- 白さは 光(加法混色) と 素材の色(減法混色) のバランス
- 蛍光増白剤は“白い光の上塗り”による錯覚
- 洗剤は“汚れを落とす化学反応”
- 漂白剤は“色素を壊す”最終手段
白く見えても、それが“清潔”とは限らない。
白さの正体を理解すると、暮らしはもっと整う。